SOMPOホールディングス(HD)と損保ジャパンは1月25日、中古車販売大手ビッグモーター(BM社)による自動車保険の不正請求問題で、金融庁から業務改善命令を受けた。翌26日にはHDと損保ジャパンは合同で記者会見を開き、HDの櫻田謙悟会長兼グループCEOが3月末で辞任すると発表した。事件発覚後、組織の体質を変えようという機運はあったのか。半年前、AERA dot.に現場の実態を内部告発した損保ジャパンの現役社員・Aさんに「その後」を取材した。
【証拠画像】「〇〇さん頼みますよ~」 BM社への入庫に必死な社内メール
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昨年9月1日、AERA dot.は、<【損保ジャパン社員が内部告発】「ビッグモーター」との会社ぐるみの“もたれ合い”の実態「請求額は1.5倍が当たり前」>という記事を掲載した。
記事では、損保ジャパンで保険金査定業務にあたっているAさんが、「BM社案件については、本社から査定金額が届いたら、問答無用で右から左に流すのが暗黙の了解」などと、社内のBM社推しの実態を赤裸々に明かした。
その後、BM社問題をめぐる事態は大きく動いた。
9月8日には損保ジャパンの白川儀一社長(当時)が辞意を表明し、同月19日には金融庁が同社への立ち入り検査を開始。11月6日からはHDにも立ち入り検査が及んだ。
そして今年1月25日、損保ジャパンとHDはともに、金融庁から業務改善命令を受けた。損保ジャパンは、BM社の不正請求の疑いを把握しながら放置した経営管理体制について、HDは子会社の監督責任について、それぞれ重大な欠陥があると指摘された。