不登校30万人時代と言われる中、損害保険ジャパン(以下、損保ジャパン)が、今年4月から業界初の不登校家庭の支援に10万円を支給する保険販売をスタートしました。受給条件や使い道などについて、本保険の開発担当者・舟根正浩さんに聞きました。
【マンガで読む】不登校、親から見た世界・子どもから見た世界の違い(全31枚)この保険がうまれた経緯とは?
――業界初の不登校向けの保険が登場した経緯を教えてください
きっかけは、身近にお子さんが不登校を経験された方がいたことと、子どもの授業参観に行った際に各クラス1~2名程度の児童生徒がごく普通に欠席していることに衝撃を受けたことです。
「子どもが不登校になり、仕事に身が入らなくなったり、平日一人にしておけずパートナーが仕事を辞めたり……。登校できない分、フリースクールやオンラインなどの学習代もかなりかかって経済的負担も大きい」と深刻に悩まれる方々の心情を目の当たりにしました。
文部科学省の調査によれば、小・中学校の不登校の子どもの数は約34万人に達し、過去最多を更新しています(令和5年の調査結果)。この現実を前に、「もはや、他人事ではない」と強く感じました。不登校による保護者への精神的・経済的な負担を軽減するために保険会社として何ができるかを模索し、各自治体や学校が行われている様々な不登校支援の促進と公的機関では届きにくい「経済的支援」の両方を補完できる商品開発に着手しました。

――通信教材やフリースクール、時には親の仕事への影響……。その負担は決して小さくありません。この保険(復学支援見舞金補償保険)は、どのようなものですか?
学校に在籍する満6歳〜15歳(小学1年生〜中学3年生)を対象に、従来のケガや病気、賠償補償に加え、不登校時の「学びの補償」を付帯した新しい保険です。不登校となった際、支援金として10万円を給付します。
支援金を受け取るには、文部科学省が定める不登校の定義、「病気や経済的な理由以外で、年間30日以上欠席した状態」を満たすことが必要です。加えて、学校が指定するスクールカウンセラー等による専門的な相談を受けた場合に支給されます。
不登校の子どもたちは、学びを放棄しているわけではありません。けれど約4割の子どもが学校内外から復学支援や学びの機会が確保されておらず、学びの機会を失っていると言われています。
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