ビッグタイトルと言えば畑岡も注目の存在だ。昨年の全米女子オープンでは最終日をトップで迎えたもののスコアを落として4位に転落。21年大会ではプレーオフの末、笹生に敗れ悔しい思いをしたが、昨年12月には海外メディアに今年のメジャー優勝候補として挙げられている。

 これまで米女子ツアーで挙げてきた勝ち星は6つ。バーディ数では一昨年が2位で昨年は369でトップとなるなど、スコアメイクできる力はツアー屈指だけに、得意のパットにショットが噛み合えば悲願も見えてくるだろう。

 稲見もメジャー制覇への期待が膨らむ日本勢の一人だ。2020-21シーズンに9勝して女王に輝くと2022年に2勝をマーク。昨年は前半で棄権1回を挟んで4戦連続予選落ちした他、4度に及ぶスイング改造など苦戦したが、久々の優勝が国内開催の米女子ツアー公式戦・TOTOジャパンクラシックだった。

 オフはアプローチを中心にスキルアップした他、松山英樹ともラウンドし刺激を受け米ツアー本格参戦への準備も着々。そのせいか開幕戦で19位タイ、次戦では単独8位に食い込み、いきなりその成果を見せている。

 それだけに、現在は今月末のシンガポールでの試合に向けて帰国しているが、国内でのイベントでは「もっと勉強して、優勝したら英語でスピーチをしたい」と語るなど、ツアー制覇への意欲も満々の様子。ルーキーイヤーの滑り出しもまずまずなだけに、今季中に稲見の英語スピーチを聞ける可能性は十分だろう。

 さらに今年の稲見には、連続五輪出場という野望もある。2021年の東京五輪で銀メダルを獲得している稲見は、現在、日本代表入りは厳しいポジション。それでもポイントの高いメジャーなどで優勝や上位につければオリンピックへの切符も夢ではないだけに、そういう意味でも今年の稲見は、一戦一戦が重要な大会となりそうだ。

 2019年の全英女子オープンで快挙を成し遂げた渋野には、復活を期待したい。ツアー本格参戦3年目となるが、昨季はトップ10入りがわずか1回でポイントランク83位とシード入りを逃した。今季は優先出場順位119位という立場。出場試合も限られるが、その中で上位進出を果たし、たくさんの笑顔を見せてもらいたいところだ。

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