前週に続き、第2話も1位になった「離婚しない男」

 ヒット作ばかりではない。あまりヒットしてない漫画をドラマ化することも沢山ある。ヒットはしてないが、プロデユーサーの「ドラマ化したい」という熱い思いでドラマにするものもあるが、その漫画の「設定」を面白いと思いドラマ化する場合もある。

 その場合は、漫画原作の「設定活かし」で大胆にアレンジが加えられることになる。このとき、プロデユーサー側がどんなスタンスでいるのかが大事だ。

「ドラマ化するし、漫画も売れるんだから、変えたっていいでしょ」的なスタンスの人も絶対にいると思う。そういう話を聞いたことあるし。その場合、編集部や作り手はあまり意見を言わずに任せることになるのだが、本当はそれで傷ついてる人、我慢してる人も沢山いるのだろうと、思わなければいけない。

0→1の一番苦しい作業

 僕は作り手として思うのは、ドラマはやっぱりオリジナルを作る人が一番すごいと思ってしまう。だって、設定からキャラクターから全部作り上げるのだから。とてつもなく苦しい作業だ。

 なので、漫画原作でドラマを作るということは、その一番しんどい作業をスキップすることになる。0→1の一番苦しい作業を、漫画に頼ることになるのだ。だとしたら、やはり、そこには大きな感謝を感じながら作ることしか正解はない。そのドラマを当てるためには、お互いが包み隠さず意見を言った上で、作れるか、作れないかのジャッジをしないといけないのだなと感じた。

 あまりにも大きすぎる代償だが、大きく変わりゆく芸能界・テレビ界の中で、今回の一件が、漫画原作のドラマ化をいい未来に変えていくことを願うしかない。

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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