社長就任後初の興行が年間最大のビッグマッチ、1月4日の東京ドーム大会となった棚橋弘至。久々にシングル王座を奪取して勢いをつけた (c)新日本プロレス
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 団体同士で引き抜き合戦をしていたのは今は昔。専門誌でも把握できないほどの団体が設立され、アジアのプロレス団体との連携も進むプロレスの世界。いま、新時代を迎えようとしている。AERA 2024年2月5日号より。

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日本のプロレス団体と言えば、多くの人がまず思い浮かべるのはアントニオ猪木が旗揚げした新日本プロレスと、ジャイアント馬場が設立した全日本プロレスの二つだろうか。この両団体がライバル関係で何かと張り合い、興行戦争や引き抜き合戦を繰り広げていたのは遠い昔の話。2団体を含むプロレス団体間の関係は激変し、盛んに交流が行われるようになった。

 一つの象徴と言えるのが、2011年8月と翌年2月に開催された「ALL TOGETHER」大会。これは東日本大震災のチャリティー興行として、新日本、全日本にプロレスリング・ノアが加わっての合同で行われた。23年6月には同じ3団体によってアントニオ猪木追悼興行「ALL TOGETHER AGAIN」も開催されている。

業界団体設立が実現

 また、23年3月には東京・後楽園ホールで「ジュニア夢の祭典 ~ALL STAR Jr. FESTIVAL~」が開催された。新日本プロレスのジュニアヘビー級トップ選手である高橋ヒロムの提唱がきっかけで、実行委員会の主催のもと、国内外22団体とフリーの計55選手が集結して夢の対決を繰り広げた。

 こう書くと、「えっ、プロレス団体って今はそんなにあるの?」と思われる方もいるかもしれない。実は今、日本国内に存在するプロレス団体とプロレスラーの総数は、プロレス専門のマスコミですら正確なところは把握できていない。日本全国に大小様々な団体が設立され、フリーも含めて数え切れないほどの選手たちが連日戦っている。女子専門の団体だけでも10を超えるほどだ。

 そんな中、23年12月15日に興味深い発表が行われた。新日本プロレス、全日本プロレス、プロレスリング・ノア、DDTプロレスリング、ガンバレ☆プロレス、大日本プロレス、DRAGONGATE、スターダム、東京女子プロレスの9団体が参加して業界団体「日本プロレスリング連盟」が設立されたのだ。コロナ禍でプロレス業界と政府・自治体のより緊密な連携が必要となったことから機運が高まり、業界が抱える課題の解決に向けた意見・情報の交換の場として実現したもの。初代会長には新日本プロレス相談役の坂口征二が就任し、5月には日本武道館で設立記念興行が行われることも決定している。

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