歌手の沢田研二は、1月12日から31日にかけ東京・大阪・名古屋の計4カ所で恒例の正月ライブ「沢田研二正月LIVE 2024『甲辰 静かなる岩』」を実施した。
初日、東京・LINE CUBE SHIBUYAでは、歌いなれた1982年のヒット曲『お前にチェックイン』の音程を大きく外してしまい、「絶望した。一番恐れていたことが始まったのかと。耳が聴こえなくなったら音程が取れへんもんね」と嘆く一面もあったが、75歳とは思えぬ声量とパフォーマンスで全国のファンを湧かせていた。
沢田のライブと言えば京都弁を交えた歯に衣着せぬMCも魅力の一つ。今回の正月ライブでもさまざまな発言が話題になっている。
たとえば15日の名古屋・フォレストホールでは、ノンフィクション『ジュリーがいた 沢田研二、56年の光芒』(島﨑今日子/文藝春秋)について。週刊文春で連載をまとめて、昨年6月に刊行された。マスコミ嫌いで、取材にはめったに応じないことで知られる沢田。本については「あれは勝手に書いてるんや」と悔しい思いを吐露。周辺取材に応じた関係者らについても「よかれと思ってこたえてるんだろうが、心ある人は断ってる」と苦言を呈した。
また17日の大阪・フェスティバルホールでは、チケットの高額転売問題に言及。「チケットが25万円で転売されている。法外な金額を出してまで見たいというのは(不本意だが)嬉しいような気もする。結局は法律を変えないと防ぎようがない」と複雑な心境を語っていた。この問題については、筆者もAERA dot.の記事「ジュリー・沢田研二の人気沸騰!転売サイトで最高25万円に? ライブチケットが入手困難でファン困惑」(1月11日配信)で取り上げている。
今回の正月ライブでの一連の発言について長年のファンで『沢田研二大研究』(青弓社)の著書がある國府田公子さんに聞いた。