吉村知事と大阪市の横山英幸市長が、地元自治体として日本国際博覧会協会(万博協会)の副会長を務め、吉本興業は「よしもと waraii myraii館」というパビリオンを出展する。万博の催事検討会議の共同座長には、吉本興業前会長の大崎洋氏が名を連ね、ダウンタウンもアンバサダーに就いている。
松本さんの疑惑発覚後も万博協会のホームページには、アンバサダーとして紹介されており、
<この度は大阪・関西万博のアンバサダーという大役を仰せつかり、ありがたき幸せです>
とのコメントもある。テレビ番組に出演した時には、
「アンバサダーはノーギャラでやる」
とも宣言していた。
しかし、吉村知事は万博のイメージが悪くなるのを危惧してか、吉本興業側から正式な発表が出たわけではないのに、
「アンバサダーとしての活動は休止になると思います」
と“予防線”を張った。
「傷が深くなる前に」の声はあっても……
万博協会の幹部はAERAdot.の取材にこう話す。
「人気者の松本さんの起用は、当然のことながら吉本興業の会長だった大崎さんのご尽力、顔で決まったようなものです。地元の大阪府と市が、長年のさまざまな事業を通じて、吉本興業と密接な関係になったことが背景にあります。松本さんは、集客やアピールなどで大きな原動力になると期待していました。万博は誰もが認める世界的なビッグイベントです。さあこれから広くチケットを売り出そうという時期に、性加害疑惑は大きなマイナスです。とりわけ海外では、日本以上にこういう疑惑には厳しい目が向けられます。ある海外のパビリオン出展国が『大丈夫か』と問い合わせてきました」
ただ、松本さんのアンバサダーの今後については、
「国、大阪府、市あげての万博です。そのアンバサダーから松本さんを外した場合、万博協会が“引導”を渡したかのようにとられます。傷が深くなる前に、という声もありますが、今はあくまで疑惑の段階です。大崎さんや吉本興業にもメンツがあるでしょうし、協会から松本さん側に『アンバサダーを辞退してください』とは言いにくい。ましてや吉本興業はパビリオンを出展されますから」
と苦しい胸の内を打ち明ける。