2022年に行われた大改修の目玉は外野席後方上部にできた超大型ビジョンと外野フェンスに埋め込まれたリボンビジョン。また観客席の快適性を向上させるため、スイートエリアなどが大幅リニューアルされて生まれ変わった。

「ビジョンを活用してエンタメ面の充実と広告増加を目論む。またスイート席を増設して客席数は減ったが客単価を上げることができた。トイレの改装、場内の完全キャッシュレス化など、時代に即した快適空間を目指す。客席間の幅が狭い部分など今後の課題もありますが……」(巨人担当記者)

 どの球場も同様だが収容人員は限られており、球場内の飲食やグッズ等で来場者に快くスムーズにお金を使ってもらうことが重要だ。また、現在は日本だけではなく外国からの観光客を呼び込むことも重要になるという声もある。

「ターゲットは海外からのインバウンド客。『東京ジャイアンツ』を前面に出すのも、日本を代表する観光地であることをアピールするため。アジア各国から来日する観光客にはお金を持っている人も多い」(スポーツマーケティング関連会社関係者)

 加えてアジアを中心とした海外への中継の配信を積極的に活用、ブランド力を高める戦略も進めるという。

「3月2~3日に台湾・台北ドームで行う親善試合もその一環。以前からアジア進出を目論み台湾出身の陽岱鋼を獲得したこともあった。現地で試合を行うのは本気度の表れ。定期的な試合配信を行うことでの放映権料収入も念頭にあるはず」(巨人担当記者)

「例えば、欧州サッカーは各試合の海外配信による収益が莫大。ブランド展開によるグッズ販売は全世界にまたがり絶好調、毎年のようにアジアや北米ツアーを行なって収益を上げる。巨人が目指すことだろう」(大手広告代理店関係者)

 エスコンフィールド北海道の成功で国内でも最新式の天然芝球場を求める声は強い。しかしビジネスのやり方次第では新たな球場を持たずとも収益を上げることはできるはずだ。

「(ドームの施設の不備で)選手が怪我をしたりパフォーマンスが下がるようなら困るが、そうでもない。人工芝を徹底的に改良、練習場を増やすなど、ドームを生かす方法を突き詰めれば良い。後楽園(=ドーム)は巨人軍の歴史そのものであり大事にして欲しい場所」(巨人OB)

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インバウンドの取り込みが重要?