巨人が本拠地として使用する東京ドーム
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 巨人が自前の新球場を建設することは関係者やファンにとって長年の夢だが、しばらくは東京ドーム(以下ドーム)を使用することが現実路線となっているという。そういった状況の中、球界の盟主がドームにファンを呼び込むためのカギは何になるのだろうか……。

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 巨人の新球場建設と本拠地移転問題は毎年のように浮上する。1988年開場のドームは老朽化が進み“時代遅れ”という評価もあるが、「ドームを使用して新たなビジネススキームを構築中」という声も聞こえてきている。

 現在、移転候補地に挙がっているのが築地市場の跡地。昨秋には三井不動産を中心とするグループが再開発の具体的提案を東京都にしたことも明らかになった。

「(築地は)小池百合子都知事が掲げた『食のテーマパーク』という構想も明確なプランは見えず、活用方法に関しての具体案が出たのは初めてだった。しかも三井不動産らのグループには読売新聞グループ本社も加わっているため『巨人の新球場建設か?』と話題になった」(大手広告代理店関係者)

 提案内容は8000~9000億円を投じ、ホテルやオフィス、多目的スタジアムを建設する再開発案。開閉式の天然芝球場を建設して巨人が本拠地にするという噂も流れているが……。

「東京ドームからの移転は当面なさそうです。2022年に100億円を投じた大改修が行われ今後15~20年は対応可能となった。東京湾に近い築地も良い場所だが、東京のど真ん中の立地を上回るほどではない」(スポーツマーケティング関連会社関係者)

 ドームの利便性の良さは他球場より抜きん出ている。JR水道橋駅、地下鉄・水道橋駅、後楽園駅などに近く、JR飯田橋駅や御茶ノ水駅、秋葉原駅も徒歩圏内だ。

「神宮球場と並び世界のスポーツチームと比べてもトップクラスの立地の良さ。平日の仕事帰りでも気軽に足を運べる場所にあり、複数駅が使えて往復時の混雑も分散する。よほどでない限り本拠地を動きたくないだろう」(フリーのスポーツライター)

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東京ドーム集客増のカギは…