ドラマ「大奥」ポスタービジュアル(提供/フジテレビ)

愛ってなんだろう

――今回の「大奥」に込めたメッセージはありますか?

 そこまで大きな哲学は持っていないのですが、一つあるとすると、自分にとっての愛ってなんだろうっていうのを考えてもらえたらいいなと思います。

 僕は、独身のころは愛の本当の意味を理解していたか怪しくて。でも結婚して、40歳になって子どもができると、がらっとフェーズが変わって、自分より大事なものがあるのか、と初めて気づいたんです。遅すぎかもしれませんけど(笑)。

 そういう自分の体験もあって、このドラマはラブストーリーを中心に据(す)えています。大奥というと、上様に気に入られるための女同士のドロドロというイメージが強いと思いますが、恋愛はもちろん、今まであまり描かれてこなかった家族の愛や、仲間の愛も盛り込みました。

 いろんな愛の形を感じ取って、「今、自分のそばにいる人たちのことを大切にしよう」っていう気持ちになってもらえたら、ほんの少しだけ日本が豊かになるんじゃないかと思っています。

(AERA dot.編集部・大谷百合絵)

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大谷百合絵

大谷百合絵

1995年、東京都生まれ。国際基督教大学教養学部卒業。朝日新聞水戸総局で記者のキャリアをスタートした後、「週刊朝日」や「AERA dot.」編集部へ。“雑食系”記者として、身のまわりの「なぜ?」を追いかける。AERA dot.ポッドキャストのMC担当。

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