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 日本人の死因でがんに次ぐ2位が心臓病です。推計患者数は375.5万人(厚生労働省「患者調査の概況」2020年)にのぼります。加齢とともに発症しやすく、患者の多くは60代後半から80代ですが、その発症のリスクになるのは長年の生活習慣病や加齢に伴う動脈硬化です。

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 本記事は、2024年2月下旬に発売予定の『手術数でわかる いい病院2024』で取材した医師の協力のもと作成し、先行してお届けします。

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 心臓は人間が生きていく上で、絶対に欠かせない臓器です。四つの部屋(右心房、右心室、左心房、左心室)に分かれていて、肺から酸素を十分に含んだ血液が戻り全身へ送り出す部屋が左心房と左心室。全身から戻ってきた血液を肺へ送り出す部屋が右心房と右心室です。そして、心臓自体が動くための栄養を心臓に供給しているのが、心臓の表面に張り巡らされた冠動脈です。

 心臓が休むことなく動き、血液を全身で循環させるためには、これらの部位それぞれが健康であることが大切。休むことなく動いているということは、無理な負荷がかかると病気(心不全)を発症して、場合によっては命に関わることもあるということです。

 ひとくくりに心臓病といっても、発症する部位によって病気が異なり、原因や治療法も違います。

急な発作が起きると、命にかかわることもある

 この記事では、代表的な三つを取り上げます。一つ目は、心臓の筋肉自体に栄養を送る冠動脈が狭くなる狭心症や、冠動脈が詰まる心筋梗塞など、総称して「虚血性心疾患」といわれるものです。発作が起きると左胸を圧迫されるような痛みや息苦しさといった症状が出て、治療に一刻を争う、命に関わる場合もあります。また、治療で一命を取り留めても、血流が途絶えて壊死(えし)した心筋はその機能が元に戻らず、心機能の低下、心不全の原因になります。推定患者数は約72万人ともいわれています。

 次に、心臓から全身へ血液を送り出すための扉である「弁」が狭くなったり、閉まりが悪くなったりして血流に支障をきたす「心臓弁膜症」があります。心臓には四つの弁がありますが、なかでも重要なのが、全身へ血液を送り出す左心室の入り口にあたる「僧帽弁(左心房と左心室の間)」と、左心室から大動脈へつながる「大動脈弁」。この二つの弁が原因となる疾患の代表が、僧帽弁が正常に閉じなくなる「僧帽弁閉鎖不全」と、大動脈弁が硬化、石灰化により狭くなってしまう「大動脈弁狭窄症(きょうさくしょう)」です。どちらも軽度から中等度なら自覚症状はほとんどありませんが、病気が進むにつれて疲労感、倦怠(けんたい)感、息切れ (呼吸困難)、動悸(どうき)、胸痛 、足首などのむくみ 、めまい、失神などさまざまな症状が表れ、心機能が著しく低下すると、心不全から死に至ることもあります。潜在患者数は200万〜300万人ともいわれます。

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高齢患者の急増「心不全パンデミック」が大きな問題に