しかし、そんな生活をしていて、よく短大に合格できたものだとびっくりする。奇跡とはまさにこのこと。正直、合格できた短大の試験さえ、まったく手応えはなかったからね。試験前日も漫画を読んでダラダラ過ごしたし、当日の試験も序盤からまったく答えが分からず、唯一望みのある選択問題などは、えんぴつを転がして答えを書いていた。ただ、せめて気持ちだけは強くしなきゃと思い「今日はなんだか合格できそうな気がする!」と意味のない思い込みでのぞんでいたのも覚えている。

 ちなみに、ボクが、まったく勉強ができなかった理由のひとつに、「ノートをきれいに書くことに命をかけていた」というのもあると思う。当時は、とにかく黒板に書かれていることを、きれいにすべてを逃さず書かなきゃいけないと思い込んでいるもんだから、それにとにかく必死で、先生がしゃべってくれていることなんて、まったく聞いちゃいない(笑)。それじゃ、やっぱり駄目だよね。改めて自分は不器用な人間だなと思うよ……。

 ちょうど今、受験シーズン真っただ中だから、先のことを考え過ぎて、きっと不安になっている人も多いと思う。ボクなんかに言われても何も響かないかもしれないけど、あまり深く考えすぎないようにしてほしいな。もし、仮に、受験に失敗したとしても、全てが終わるわけじゃないんだからね。

 それに、希望の大学に落ちたことで、少し偏差値の低い大学に通うことになったとしても、結果的にそっちのほうが良かったって思えることもあるかもしれない。正直、ギリギリの成績で希望の大学に運良く入れたとしても、その後、学業をこなすだけでいっぱいいっぱいになるような気がするんだよね。それなら、偏差値は低いかもしれないけど、そこの大学で上位の成績をとっていたほうがいいっていう考え方もできる。

 それにボクのころとは違って、今はいろんな選択肢がある。生き方は一つじゃないからね。訪れた結果を、どれだけ経験値にできるのか、それが重要だから。

 えらそうに言ってごめんね。

 あと、予備校サボってのゲーム三昧は絶対やめたほうがいいしん(笑)。

(構成/AERA dot.編集部・岡本直也)
 

暮らしとモノ班 for promotion
大人のリカちゃん遊び「リカ活」が人気!ついにポージング自由自在なモデルも