物盗られ妄想があまりにも酷かった頃、認知症の祖母の面倒をみていた両親が、祖母に施設に入ってもらうことを検討したことが一度だけあります。
デイサービスは「つまらない」と
しかし、祖母は全力で施設に入ることを拒否し、「緊急時にやむをえない場合」に身体拘束をすることがあると施設の人に聞かされた父も、実の母親を施設に入れることをやめたそうです。
なんとか説得し、週に1回のペースで通ってもらっていた認知症デイサービスも、コロナパンデミックをきっかけに、通うのを中断してしまったままの状態が続いています。祖母も、「つまらないから行かない」といい、断固としていくことを拒否し続けているそうです。
幸い、中等度および高度アルツハイマー型認知症における症状の進行を抑制することで知られている薬が祖母には効果的だったようで、物盗られ妄想や幻視といったひどかった症状が落ち着いていることもあり、なんとか、両親が祖母の身の回りのことをみることができているのが現状です。
しかし、特に、持病のために身体の自由が効かない母への負担は相当なものであり、祖母も両親も共に歳をとっていく中で、日本を離れてしまったことに申し訳なさを感じています。