純正同等の性能の大口径標準ズーム
手のひらに、ずんとくる重量感と大きさ、これこそがフラッグシップ標準ズームなのだという強い存在感を感じさせるトキナーの新型、開放F2.8通しの標準ズームレンズである。
サードパーティー製のF2.8通しの標準ズームとしては、タムロンからSP24-70㎜F/2.8 Di VC USDが発売されている。比べてみると今回のトキナーは、手ブレ補正機構は内蔵していないし、価格も高く、重量も100g以上重い。これは、クラス最高性能を追求した製品という覚悟を持った設計だからだろう。
その描写力は素晴らしいものであった。第1面レンズの大きさ、82mmのフィルター径が周辺までたっぷりと光を取り入れようとする意思を感じさせる。
フォーカスクラッチの採用でフォーカスリングをスライドするだけで瞬時にMFに切り替えられる。
デザイン
鏡胴の仕上がりにも気配りされている。フォーカスリングとズームリングのローレットのパターンが異なるのもアクセントになっている。特にニコンのボディーに似合う
使用感・操作感
重量級だがバランスは良好。鏡胴も太めだがズームリングのトルク感もよい。AF動作も速いが、至近距離撮影では一度動作速度が落ち、追い込むように合焦する特性がある
描写性
絞りや焦点域によらず性能変化が小さく、また画面の均質性に優れ、被写体を選ばず使える。ポートレートから緻密な描写が必要な風景までオールマイティーな性能である
◆ 赤城耕一
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●焦点距離・F値:24~70mm・F2.8●レンズ構成:11群15枚(非球面レンズ2枚、SDガラス2枚、非球面レンズでSDガラス1枚)●最短撮影距離:0.38m●最大撮影倍率: 1:4.73●画角:84.20°~34.49°●フィルター径:Φ82mm●マウント:キヤノン用、ニコン用●大きさ・重さ:Φ89.6×107.5mm・1010g●価格:税別15万円(実売12万4200円)