鈴木涼美さん
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 作家・鈴木涼美さんの連載「涼美ネエサンの(特に役に立たない)オンナのお悩み道場」。本日お越しいただいた、悩めるオンナは……。

【写真】友人とお茶をする33歳の鈴木さん

Q. 【vol.5】アグレッシブさに欠ける昨今の男性に対し、どう誘えばいいのか悩むワタシ(40代女性/ハンドルネーム「りょう」)

 昨今は女性が強く、「デートもセックスも女性から誘うべし」と、ちまたでうたわれています。たしかに男性たち、自分からは誘ってきません。私が10~20代の頃はそうではなかったから、40歳を超えてせっかく恋をしたのに、好きな男性との距離をまったく近づけることができません。振り返って笑顔で「セックスしようよ!」って言う以外の方法が思いつきませんし、それは死んでもできません(涙)。テーブルの下で太ももに触る、っていうのも今思いつきましたが、これもできません。

 涼美さんだったら、どうやって誘いますか? 相手は仮に、3人の子を持つ、ものすごく真面目で子煩悩な男性、しかしこちらにやや気がある風とします。

A. おしゃべりな友人は伝書鳩。

 私自身がオトナになりそびれた少女漫画脳なので、未だに告白とか誘うとかいうと、靴箱に「放課後校舎の裏で待ってます」的な手紙を入れるようなことしか思いつかず、しかし大人の男は学校で靴を履き替えたりしないし、私が校舎の裏で待っていたら父母会の帰りか何かと間違えられるだろうし、そもそも大人になるとなかなか「好きです、付き合ってください」という展開にはならないため、好きな人ができたときに何をしてよいのかよくわからないですよね。東京ラブストーリーの赤名リカとロンバケの南以外でいきなり恋人未満の男性に「セックスしよ」的なことを言っている人はあまり見たことがないので、誘い上手な女って思うほど多くない気がします。

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鈴木涼美

鈴木涼美

1983年、東京都生まれ。慶應義塾大学在学中にAV女優としてデビューし、キャバクラなどで働きつつ、東京大学大学院修士課程を修了。日本経済新聞社で5年半勤務した後、フリーの文筆家に転身。恋愛コラムやエッセイなど活躍の幅を広げる中、小説第一作の『ギフテッド』、第二作の『グレイスレス』は、芥川賞候補に選出された。著書に、『身体を売ったらサヨウナラ 夜のオネエサンの愛と幸福論』『非・絶滅男女図鑑 男はホントに話を聞かないし、女も頑固に地図は読まない』など。近著は、源氏物語を題材にした小説『YUKARI』

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