写真家の篠山紀信さんが4日、亡くなった。83歳だった。人物、建築、美術など被写体のジャンルは多様で、作品の数々は世界で知られる。1978年から97年の約20年間、雑誌文化が盛り上がっていた時代の週刊朝日の表紙も撮り続けた。篠山さんを偲び、週刊朝日2021年1月15日号の記事を再配信する。(年齢、肩書等は当時)
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「もっとはにかんだ顔してよ」
「うふふふ……」
本誌の歴史を語る上で欠かせない2人が帰ってきた! 昨年“還暦ビキニ”を披露し注目を集めた女優の宮崎美子さん(62)と、24年ぶりに本誌表紙にカムバックした巨匠、篠山紀信さん(80)。宮崎さんが熊本大学3年生の1980年、篠山さんが本誌「女子大生シリーズ」表紙で撮影し、大きな話題を呼んだ“運命の一冊”を持ってのご帰還だ。宮崎さんはこの表紙をきっかけに、瞬く間に芸能界のスターダムを駆け上った。
ご覧の通り、微笑ましくも真剣勝負の2人のやり取りから生まれた今回の表紙。「“あの時”と同じ気持ちを撮りたかった」(篠山さん)の言葉通り、レンズの向こうには、嬉し恥ずかしい気持ちがにじみ出た、“女の子”の姿があった。(本誌・松岡かすみ)
※週刊朝日 2021年1月15日号