道路を覆う倒木(写真はいずれも近藤氏提供)
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 元日に発生した能登半島地震で、3日夜までに70人超の死亡が確認された石川県。3万3千人以上が避難しているが、水道が止まり、停電している地域も多く、救援物資が届きづらい状況も続く。そうしたなか、県内を移動中に地震に遭い、穴水町の避難所で2日間過ごした、地元・石川3区(輪島市、珠洲市など)選出の近藤和也衆院議員(立憲民主)に避難所での様子を聞いた。

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 1月1日。近藤氏はこの日、能登半島の先端、珠洲市でお参りを済ませ、隣接する輪島市内での恒例イベントのロードレースに参加して初走りを楽しんだ。

 その帰り、輪島市南部に隣接する穴水町のガソリンスタンドに立ち寄ったときだった。

お金を入れた瞬間でした。すごい横揺れに襲われ、思わず車にしがみつきました。立っていられないほど長く揺れ、地面に手を付けるようになるほどでした。あんな揺れは初めてです」

周囲の道路は地割れを起こし、道は寸断

 党県連の災害対策本部を設置することを決め、対策本部長は県議に任せた。

 自身は穴水町の駅前の避難所に向かった。周囲の道路は地割れを起こし、道は寸断され、停電に。街中では倒壊している家屋も目に入る。

「すごいことになったと思いました。そのうち大津波警報まで出ていると知り、怖かったです」

 避難所では、近藤氏もスタッフの一員となり、避難所に来た人の家族の救助依頼などを聞き、消防などに直接伝えた。

 一方、時間が経つにつれ、避難所には次から次へと避難してくる人が殺到し、1階はすぐにいっぱいになった。避難場所を2階にも広げるとなんとかおさまった。ただ、避難所に入り切れない人らの車が、駅の駐車場に30~40台とまっているのが確認できた。

「避難所では寒さは厳しく、毛布も不足していました。備蓄の食料などがどこにあるのかよくわからず、2日になってようやくそれを探し出して配ることができました。水だけで作れるアルファ米があり、おにぎりを作るのですが、270人くらいが避難所にいたので大変でした」

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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