企画は大喜利と即効性 オモロイ答えを探す
9月17日の発売当日、パインアレを扱う店ではアレよ、アレよと売れ、30分で完売したそうだ。
「ネットでも販売しましたが、販売開始の1~3分で完売ですよ」
そう聞くとさぞもうかっていると思われるが、パインアメ自体の供給が追いつかないので、人気があるが売れない、痛しかゆしの状態だそうだ。
「パインさんも独自で『パインアレ』をつくって岡田監督にお渡ししたので、その相乗効果があったのでしょうね。うちは阪神さんのサポートカンパニーでオモロイことやってくれと言われてたんで、結果を残せてよかったです。でも、この商品は2023年12月末までの限定です」
それにしても、次々といい意味で変な商品を生み出す稲本さんの頭の中はどうなっているのだろう。
「面白いことを考えるのは好きで、企画は大喜利だと思います。即効性が大事で、まっとうな正解ではなく、オモロイ答えを出すことを考えています。脳を錯覚させるものづくりがいつもしたいですね」(稲本さん)
阪神タイガース関連では、「アルプスの少女ハイジ」とコラボした「アルプススタンドの少女ハイジ」という商品も開発し、こちらも人気を博した。
2023年、阪神タイガースはクライマックスシリーズで勝ち上がり、パ・リーグの勝者オリックスを下し日本一に輝いた。その戦いは、関西だけでなく日本中を熱くした。
2023年の阪神タイガースを象徴するフレーズである「ARE」はもちろん、「パインアメ」と「パインアレ」も歴史に長く名を残すのは間違いないだろう。(ライター・鮎川哲也)
※AERA増刊 「アっぱレ日本一!阪神タイガース2023全軌跡」から