これがパインアレだ!(ヘソプロダクション提供)

大阪にあめちゃん文化 「あめ入り巾着」がイイ

 パインアメとAREを合わせて「パインアレ」というのは、今や多くの人が思いつくだろう。その発想をいち早く、そして多くの阪神タイガースファンに受け入れられる商品として世に生み出した人がいる。その人こそヘソプロダクション(大阪市福島区)の代表取締役で、「経営表現者」を名乗る稲本ミノルさんだ。

「8月の下旬に、阪神タイガースが優勝しそうだからオリジナル商品を出そうと考え、『パインアレ』を出すのは優勝したときしかないと行動を起こしました。優勝は9月20日くらいと想定し、球団からの許可取り、パイン社との交渉、デザインの決定と3週間の勝負でした」と稲本さんは感慨深げに話した。

 ところがタイガースが思いのほか強すぎて、稲本さんの想定より早く優勝が決まりそうになった。そこであらゆる工程のスピードをアップした。さらに、阪神ファンの優勝への熱をすごく感じるようになってきた。

「初めは、こんなん誰が買うねん!?と千個くらいなら優勝に間に合うと思いましたが、阪神ファンの異常なほどの熱を感じ、急遽、2万個追加しました。その判断が良かったですね」と、稲本さんは興奮気味に振り返る。これほどまでにスピード感を持って商品化するにはわけがある、と稲本さんは言う。

「世の中には同じことを考える人が3人いると思うんです。そのうちの一人は思いつくだけで行動を起こさない。でも、もう一人はカタチにしようと動く。だから、その人とのスピード勝負です。一秒でも早く動き、カタチにするのが僕の考えです」 

 スピードは重視するが、コンセプトやデザインは絶対妥協しない。パインアレの「アレ」はAREというロゴにして、タイガースのロゴにはパインアメのパッケージ同様に緑の葉っぱをつけるなど、気の利いたデザインにした。また、巾着にしたのにも、もちろん意味がある。

「大阪にはあめちゃん文化があり、あめちゃんを入れて持ち歩けるように巾着にしました。だから巾着だけではダメで、あめちゃんが入った巾着であるからこそ成立するのです」。稲本さんはそう強調した。

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