計画的な彼と無計画な私の現時点の共通点(イラスト:サヲリブラウン)
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 作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニストとして活躍するジェーン・スーさんによるAERA連載「ジェーン・スーの先日、お目に掛かりまして」をお届けします。

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 2023年もインタビューをたくさん受けました。そして、「次にやってみたい仕事はなんですか?」と何度も尋ねられました。その度に私は「いやあ……なにも思いつかないです」とバツが悪そうに答えます。だって、本当になにも思いつかないんだもの。

 ここまでの人生、行き当たりばったりでやってきました。でなければ、偽名で文章を書いたりラジオでしゃべったりなんて人生には、良くも悪くも辿り着かなかったはず。

 やりたいと思ったらとりあえずやってみる姿勢は、一貫していました。フリーランスになったのが35歳と遅めだったからです。もっと若かったら、私にできるわけがないと尻込みし、様々なオファーを断っていたに違いないから。

 先日、とある若者とじっくり話す機会がありました。彼が非常に計画的であることは以前から存じておりましたが、現在の職業に就きたいという夢を見始めたのは2歳から、と聞いて驚きました。

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ジェーン・スー

ジェーン・スー

(コラムニスト・ラジオパーソナリティ) 1973年東京生まれの日本人。 2021年に『生きるとか死ぬとか父親とか』が、テレビ東京系列で連続ドラマ化され話題に(主演:吉田羊・國村隼/脚本:井土紀州)。 2023年8月現在、毎日新聞やAERA、婦人公論などで数多くの連載を持つ。

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