※写真はイメージです(写真/Getty Images)

お正月休みに食べる機会が多いお。おいしい上に食べ方のバリエーションも豊富なため、食べ過ぎてしまうことが多く、太りやすいイメージもある。しかし、栄養士によると一概に「白飯より太りやすい」とは言えないという。なぜ餅のほうが太りやすいイメージがあるのか、餅に含まれる栄養素や一緒に摂るべき食材、お正月休みに気を付けたい食べ方などを聞いた。

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 お正月のめでたい時に食卓に登場するお餅に「太りやすい」イメージを持つ人は少なくない。日本ビューティーヘルス協会会長で管理栄養士の池上淳子氏は、「確かに、お茶碗1杯分(約150g)の白飯よりも、同量の餅のほうがカロリーは高くなります」と指摘。加えて、含まれているデンプンの割合と性質の違いから、餅には食後の血糖値が上がりやすい特徴があるという。

 お米に含まれるデンプンには、アミロペクチンとアミロースの2種類がある。一般的に食べられているお米(うるち米)は8割がアミロペクチン、2割がアミロースで構成されているが、もち米はアミロペクチンが10割だ。

 アミロペクチンは粘りが強いモチモチした食感が特徴で、消化が早いため、血糖値を上げやすく肥満になりやすい。一方のアミロースは、さらさらとしたデンプンなので粘りが少なく、消化がゆっくりのため、肥満になりにくい。

 つまり、うるち米に比べてアミロペクチンの割合が高いもち米は消化が早く進む分、血糖値上昇が起こりやすく、インスリンの分泌が促進され中性脂肪を作りやすいのだ。しかし、「総合的に考えると餅は白米よりも太りにくい」と池上氏は分析する。

日本ビューティーヘルス協会会長で管理栄養士の池上淳子氏

「餅は噛み応えがあるので咀嚼回数が増え、満腹中枢が刺激されます。そのため少量でも満腹感を得やすく、食べ過ぎを防げるという特徴があります。間食として餅を食べるなら話が変わりますが、食事として考えた場合、一度にたくさん食べられる白米よりも餅のほうが太りにくいといえるでしょう」

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餅のカロリーは切り餅1個(約50g)で約120kcal