コミック
イスラム文化の肌感覚 ののちゃんは将棋漫画
朝日新聞文化部記者・小原篤さん/アニメ、マンガ、映画担当。朝日新聞デジタルで「小原篤のアニマゲ丼」連載中
【戦争】『未来のアラブ人』/リアド・サトゥフ/花伝社/2019~20年
シリア人の父とフランス人の母の間に生まれた作家の自伝的作品。金髪&青い目の主人公を通じ、厳しい戒律やイスラエルへの憎悪など、イスラムの暮らしと文化の壁が肌感覚で描かれる。絵柄が可愛く親しみやすい(1~3巻)。
【野球】『ちばてつや追想短編集 あしあと』/ちばてつや/小学館/2021年
短編集で、所収の1編「赤い虫」は、若き日の作者を苦しめた神経症がある日のキャッチボールでピタッと治る話。運動の大切さに目覚めたちばはスポーツ賛歌、人間賛歌を漫画で追求する。漫画史を変えたキャッチボール。
【酷暑】『クッキングパパ』/うえやまとち/講談社/1986年~
40年近く続く長寿料理漫画。夏を乗り切るメニューも色とりどりだ。手軽な材料で作れる「激辛グリーンカレー」(32巻)で汗をかき、デザートに豪快な「スイカ丸ごとシャーベット」(10巻)はいかが?(1~167巻)
【将棋】『ののちゃん』/いしいひさいち/徳間書店/2004年~
実はなかなかの将棋漫画。ののちゃんの兄は将棋センターに通うが、挑んでくる対局者はクセ者ばかりで、顔も有名棋士に何だかそっくり。そのうち藤井聡太八冠に似た青年がフラッとやってくるかも? 朝日新聞朝刊連載中(1~13巻)。
【芸能】『【推しの子】』/赤坂アカ×横槍メンゴ/集英社/2020年~
テレビアニメ化で人気が更に上昇。双子の男女がスターを目指す物語だが、前世の記憶があり「殺された母の復讐」という秘めた目的があり──とてんこ盛りの設定で、芸能界の強烈な光と影をグイグイ描いていく(1~13巻)。
※AERA 2024年1月1-8日合併号