【酷暑】『人間はどこまで耐えられるのか』/フランセス・アッシュクロフト/河出文庫/2008年
105℃もの部屋で15分耐えられることを証明した科学者の話などが紹介されており、「人体はどれくらいの暑さまで耐えられるのか?」がわかる。今後更に進んでいくかもしれない気温上昇をしのぐための科学知識も得ることができる。
【将棋】『AIに心は宿るのか』/松原仁/インターナショナル新書/2018年
最近「オセロが解かれた」という、最善手をお互いに指し合うと必ず引き分けになるという論文が発表された。AIが更に発展すれば「将棋が解かれた」といわれる日がくるのかもしれない。著者と羽生善治九段の対談も収録。
【芸能】『笑わない数学』/NHK「笑わない数学」制作班編/KADOKAWA/2023年
お笑い芸人・パンサー尾形貴弘さんがMCに挑戦して話題になったNHK「笑わない数学」の書籍化。私もこの番組の大ファン。難解な数学を一般向けに伝えることは難しいが、尾形さんと番組スタッフの情熱によって大成功している。
ノンフィクション
ボールパークの夢 敗者に心を寄せて
スローニュース代表取締役・瀬尾傑さん/調査報道やノンフィクションをデジタル空間に生み出す「SlowNews」を運営中
【戦争】『ドキュメント戦争広告代理店』/高木徹/講談社文庫/2005年
現代の戦争で武器以上の力を持つフェイクニュースやプロパガンダ。人の感情をあおり、メディアさえ欺き、民主主義を揺さぶる。世界中を騙したアメリカ凄腕PRマンの情報操作を暴くこの本を読み、冷静にニュースに接したい。
【野球】『アンビシャス』/鈴木忠平/文藝春秋/2023年
大谷翔平を育てた日本ハムファイターズが実現したもうひとつの夢、自前のボールパークはなぜ生まれたのか。『嫌われた監督』著者が描く「北のフィールド・オブ・ドリームス」に新庄剛志監督が必要だった理由にほっこり。
【酷暑】『昭和16年夏の敗戦(新版)』/猪瀬直樹/中公文庫/2020年
環境破壊、温暖化──見たくない現実から目をそらしたのでは、悲劇を避けることはできない。開戦直前におこなわれたシミュレーションで米国に惨敗したにもかかわらず、それを無視した日本のエリートの蹉跌は悲しいが最良の教訓。
【将棋】『怪物に出会った日』/森合正範/講談社/2023年
藤井聡太は圧倒的に強く、チャーミングだ。しかし、ぼくは彼に挑んだ敗者に心を寄せてしまう。世界最強のチャンピオン井上尚弥に負けたボクサーたちの物語も読み始めると止まらなかった。「才能とその上を行く才能の戦い」は熱い。
【芸能】『その名を暴け』/カンター、トゥーイー/新潮文庫/2022年
ハリウッドで権力を誇る有名プロデューサーが、女優たちに性的虐待をしてきた衝撃の事実を二人の女性記者が暴き、#MeToo運動は広がった。隠蔽された旧ジャニーズや宝塚のハラスメントの発覚は世界の動きとリンクしている。