光石研さんと松下洸平さん(撮影/写真映像部・東川哲也)
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 松下洸平さんがホストを務めるAERAの対談連載「じゅうにんといろ」、18人目のゲストは俳優・光石研さん。松下さんが25歳の時に初共演して以来、尊敬してやまない大先輩です。光石さんの人柄そのままの、優しい時間の始まりです。AERA2023年12月25日号より。

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松下洸平(以下、松下):今日はよろしくお願いします! この連載は昨夏にスタートしましたが、最初の打ち合わせの時から、ぜひお話ししたい方として、光石さんのお名前をあげさせていただいていました。

光石研(以下、光石):うれしいな、光栄です。声をかけてもらって、本当にありがたいです。

松下:今春、都内のテレビスタジオでお会いして以来ですね。

光石:そうだね。

松下:その日、光石さんは映画の宣伝で、読売テレビ系「秘密のケンミンSHOW極」の収録をされていらっしゃって、僕は別のスタジオでドラマを撮っていて。スタッフさんから「光石さんが来てるよ」と聞いて、ご挨拶に行くために、いったん自分の楽屋に戻ったんです。そうしたら、光石さんが鍵のかかっているドアをドンドン叩きながら「おい! 洸平!! 出てこい!!」って、叫んでいて、もうびっくりして(笑)。

光石:マネジャーに、もうすぐ洸平くんが戻ってくると聞いてね。

松下:いやいや、その小芝居、もったいないですよ(笑)。お金を払わなければいけないくらいの迫真の演技で、とても遊びには見えなくて、通りかかったガンバレルーヤのお二人がドン引きしてましたよ(笑)。

光石:あはは(笑)。ガンバレルーヤのお二人とは、直前まで収録をご一緒してたんですよ。彼女たちは芸人さんだから、とてもテンション高くやっていらっしゃって、一方の僕は借りてきたみたいに、すごくおとなしくやっていてね。それなのに、裏では楽屋前で騒いでるから、「どういう状態?」という顔をされてしまったなぁ(笑)。

松下:そりゃ、びっくりしますよ(笑)。僕のために、そこまでしてくださることがうれしいですし、サービス精神が本当にすごいです。

光石 洸平くんがちゃんと僕のことをわかってくれて、喜んでくれる人だからやるんですよ。

 思い返せば、2012年にTBS系ドラマ「もう一度君に、プロポーズ」で共演したのが、最初の出会いだね。

松下:はい。僕は当時25歳で、初めての連ドラでした。しかも、テレビのお仕事はもちろん、カメラの前でお芝居するのも初めてでした。

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