そんな時は、Uさんがタオルを抱えてコインランドリーに走ることになる。
「ゴミ捨ても女性の仕事なのに誰もやらず、ベランダがゴミの山になっていることもあります。それを捨てるのも僕です」
時給は1000円(Uさんの県の最低賃金は800円代後半)。自宅を出てから帰るまで時給が発生するが、せいぜい1~2時間程度で終わるので、副業収入は月1万円くらいにしかならない。
「最初は月に4万~5万円稼げると聞いていましたが、まったくです」
Uさんはオーナーに「自分に頼らなくても買物くらいは女性たちにお願いすればいいのでは」と提案し、「辞めさせて欲しい」と訴えた。
「でもオーナーは『女の子にそこまでお願いできない』と。女性セラピストを集めるのは大変なので、雑用を押し付けて辞められると困るのでしょう。だから僕のような都合のいい存在が必要なのです」
代わりが見つからないと説得され、Uさんはこの副業をズルズルと続けている。
転職続きの人生
Uさんが荷物を運ぶと、たまたま女性セラピストに鉢合わせすることもあるが、Uさんは極力関わらないようにしている。
では、女性のモチベーション維持やリスク管理は誰がやるのか。こうした仕事はマネジメントなしでは成立しない気がするが。
「お店でナンバーワンの30代セラピストが、女性たちのリーダー役を務めているようです。僕も数回会っていますがメッチャ綺麗な人。彼女がほかのセラピストの指導係もやっているらしいです」