松村邦洋(まつむら・くにひろ)/1967年山口県生まれ。歴史好きとして知られる。著書に『松村邦洋まさかの「光る君へ」を語る』ほか

 NHK大河ドラマファンに聞く「観たい」大河テーマ。お笑いタレントの松村邦洋さんは「立花宗茂」だ。AERA 2023年12月25日号より。

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 1979年放映のNHK大河ドラマ「草燃える」を見て衝撃を受けました。

 物語は驕れる平家を東国の武士たちが源頼朝を担ぎ出して滅ぼす。さらに鎌倉幕府内でも生き残りをかけたトーナメント戦が起こり、最後に北条義時が制します。それまで「水戸黄門」や「大岡越前」など正義が最後に勝つドラマを見ていたのですが、勝てば官軍、つまり強いものが正義になっていく。そんなことを「草燃える」で知りました。そしてこのドラマを見て歴史にのめり込み、特に鎌倉時代が好きになりました。

 前回の「鎌倉殿の13人」も「草燃える」をオマージュしつつ、少しコミカルな要素も入っていて楽しかったですね。

 鎌倉時代以外で気になるのは九州の荒くれ武士たちが活躍するものです。加藤清正や立花宗茂を主人公とした大河ドラマは見てみたいですね。

 立花宗茂は九州平定で武功をあげ、豊臣秀吉により異例の出世を果たした武士です。関ケ原の戦いで石田三成率いる西軍につき、戦の後、改易されてしまいます。

 でも、家康が宗茂の実力を認め、旧領の筑後柳川藩に復帰するんです。見事な復活劇は、仕事で行き詰まっている人にも勇気を与えてくれますね。

 宗茂から見た家康、同様に清正から見た秀吉、僕の地元・山口でいえば大内氏から見た足利氏など、これまでとは全く逆の視点から歴史を描くのも面白いでしょうね。

 まだまだいろんな大河ドラマを見ていきたいです。

(ライター・鮎川哲也)

AERA 2023年12月25日号