新NISAの成長投資枠を目いっぱい利用するとして、この900万円を1年あたり最大240万円で割ると3.75年、つまり3年9カ月で達成できる。月あたり20万円の投資が必要だ。
月あたり20万円の投資は大変なので、投資額を半分の月10万円に減らすと月3万円の配当が得られるまでに7年半、4分の1の月5万円にすれば15年の期間で済む計算だ。
配当利回りはその年の配当を株価で割った値なので、その企業の業績が好調で配当が増えれば上がる。また、株価が値下がりした場合にも高くなる。その時々で変わり、必要な投資の額や期間も変化することに注意しよう。月5万円や10万円など、もっとたくさんの配当を期待するなら投資額を引き上げたり、投資期間を長くしたりする必要がある。
高配当銘柄は規模が大きく、業績も安定している企業が多いとされる。今後、いきなりの高成長はなかなか見込めないとはいえ、東京証券取引所の要請もあり、最近は配当などを通じて株主への還元姿勢を強め、投資家を集めようとする動きが目立つ。
『配当性向』が低いかどうか
新NISAを通じて高配当株へ投資する際の注意点について、株式投資のベテランで投資顧問会社エフピーアイ代表を務める藤ノ井俊樹さんは次のように話す。
「長期保有を前提として考えると、減配の可能性がある銘柄はできるだけ避けたい。その意味で『配当性向』が低い点に注目しましょう」
配当性向はその年に得られた最終益を配当の支払いにどれだけ充てているかを示す指標だ。この値が低い企業は、利益がある程度少なくなっても、配当を一定の水準に維持できると考えられる。一方で、配当性向が高いところは利益が少し下がっただけでも、配当を減らすリスクが高くなる。