そのため減配のリスクを避けるには、配当性向が低い銘柄に注目すべきだという。
また藤ノ井さんは、株価純資産倍率(PBR)が低いかどうかも意識する必要があると指摘する。株価純資産倍率は株価を1株あたり純資産で割ったもの。株価で表される企業の価値が、手持ちの資産に比べてどのくらい評価されているかを示す。数値が低いほど株価が割安であるとされ、1倍を下回る企業は投資家から、実際に持っている資産よりも安くみられていることを意味する。
「PBRの値を増やすには、利益を稼ぐ力や成長への期待を高めて分子である株価を引き上げるほかに、自社株買いや増配によって純資産を減らす取り組みが必要になります。PBRが1倍割れの銘柄は今後、増配などを行い、株主への還元姿勢を強める可能性があります」(藤ノ井さん)
75日移動平均線をチェック
こうした点から狙い目の銘柄として藤ノ井さんが注目するのが下の表だ。業績が比較的安定し長期保有に向く電力株のJ-POWERをはじめ、今後の魚食文化の広がりで市場拡大が期待できるニチモウ、大阪万博や大阪カジノ構想の恩恵が見込める三精テクノロジーズなどを挙げる。藤ノ井さんは言う。
「ほかにも、業績の変化率が大きい銘柄は避けたいところです。というのも、そうした企業は減配のリスクが高いからです。また投資の際には、株価が過去よりも安い水準にあるかどうかをしっかりと確認しましょう。75日移動平均線を下回っているかどうかが目安になります」