安倍元首相に従うだけの“安倍チルドレン”
安倍一強と言われる政治体制のなかで、メディア側も見て見ぬふりをするような雰囲気が蔓延していたのかもしれない。さらに、青木氏は裏金問題の“根っこ”をこう話す。
「安倍派には99人もの所属議員がいて、こんなやり口が問題だと考える者はいなかったのも異様です。安倍氏が政権に復帰した2012年の総選挙で大量当選した“安倍チルドレン”は、安倍氏や上層部の言うことにひたすら唯々諾々と付き従うだけで、おかしいと感じても何も言わない、そもそもおかしいとすら感じない、そんな劣悪な議員が大量に生まれてしまったということなのかもしれません。政治家の質が政治の質に直結すると考えた時、これは相当に深刻なことだと思います」
例年、1月20日ごろに通常国会が召集されるが、現職議員への捜査はどのように推移するのか。今後の展開について青木氏はこう推察する。
「従来の検察捜査の例を見れば、年明け1月の通常国会召集までには捜査に一定程度の目鼻をつけることになるでしょう。その際、果たして幾人の議員が刑事訴追の対象となるのか、さらにはキックバックされた裏金が何に使われたのかまで特捜の捜査が踏み込んでいくかどうか、その辺りが注目点になるでしょう」
安倍派のもとで甘い汁を吸ってきた“安倍チルドレン”にとっては、肝を冷やしたままの年越しになりそうだ。
(AERA dot.編集部・上田耕司)