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女性のテントを開けて「怖くない？」　ソロキャンプの「教え魔」「声かけ魔」は消えたのか

ソロキャンプ 2023/12/17/ 10:00

日本単独野営協会の小山仁代表が今年6月、【女性ソロキャンパーへ話しかけに行く男性について日本単独野営協会が思うこと】と題して「X（旧Twitter）」に投稿した内容は以下の通り（原文ママ）。《男性は女性にとって、ゴキブリとハイエナを足して二で割ったようなものに見えていると思っておくくらいが丁度いいんです》という表現に大きな反響があった。

【女性ソロキャンパーへ話しかけに行く男性について日本単独野営協会が思うこと】

「女性ソロキャンパーに男性が執拗に話しかけたりする迷惑行為は良くないことだ。」という話をしていると、「いやいや、女だってどうだこうだ」と、すぐに「男性vs女性」の構図を作って対抗しようとする男性が出てきます。ただ、どう見ても私はそういう話をしていないんです。

私は「人として持っていなくてはならない基本的な気遣いの話」をしているだけで、普通の人ならそれくらい誰でも分かると思うんです。そういうのがわからない人がいることに、問題の根本原因があると思っています。

また、「俺は女性キャンパーに話しかけに行って助けてやって感謝されたぜ。」という男性も必ず出てきますが、そんな本当か嘘かもわからないような個人の自慢話は、実際に迷惑だと思っている女性からすればどうでもいい事であり、そんな要らない話をするから、それを口実にして女性ソロキャンパーに話しかけに行こうという人が出てきてしまうことに問題があると思っています。

「挨拶はダメですか？」「挨拶もしないんですか？挨拶は基本ですよ？」という男性も必ず出てきます。挨拶をするためにわざわざ見ず知らずの女性ソロキャパーに話しかけに行くのが基本なのでしょうか。そんな必要がどこにあるんでしょうか。そんな要らない事を言うから、それきっかけに女性ソロキャンパーに話しかけに行く事を良しとする人が出てきてしまうんです。

「じゃあ、女性が緊急事態でも助けちゃだめなんですね？」という男性も毎回うんざりするほど出てきますが、教え魔をはたらいたり、マウントを取ったり、自慢話を聞かせたり、LINE交換を迫ったりする状況のどこが緊急事態なのでしょうか。そういう屁理屈を言って女性に近づこうとうするから、女性を怖がらせてしまったり、警察沙汰になったりするんです。

「女性がソロキャンプをするもんじゃない。」「女性がソロをやるなんて被害に遭いにいくようなものだ。」という男性も本当に残念な事ですが、毎回必ず出てきてしまいます。

もし本気でそう思うのであれば、それは女性がソロキャンプをやめるのではなく、そう思う男性だけが二度とキャンプフィールドに近づかなければいいだけなんです。どちらが被害者で、どちらが加害者なのかを考えれば分かると思います。他人の趣味に軽々しく「やめろ」「やるな」というのであれば、そう言っている人がまず手本を示してほしいものです。

大体、そこまで必死に食い下がったり、噛み付いたりしてまで女性に話しかけに行きたいものでしょうか。例えば「どうしても女性と話をしたいけど、女性に好かれないので、誰も相手にしてくれないんです。」というような事情があるなら、一生懸命真面目に働いて、お金をつくって、キャバクラやガールズバーなど、プロの居るお店に行くと良いと思います。お金を払えばちゃんとお話を聞いてもらえますし、基本的にはとても気持ちよく接してもらえると思います。

男性は女性にとって、ゴキブリとハイエナを足して二で割ったようなものに見えていると思っておくくらいが丁度いいんです。「キモいし、得体が知れないし、変に行動力あるし、餓えてるし、力が強いし、距離取りたくても向こうから来るし。」女性がソロキャンプをしている時にそんな激ヤバな人が「挨拶に来た」「親切にしに来た」と言って近づいてきたらどうしますか？どう考えても恐怖でしかないですよね。それが物事を一方的に自分の都合の良いように考えるのではなく、相手の立場を踏まえて普通の事を普通に考えるという事です。

大切なのは被害を受ける側に対策を求めるのではなく、加害者側になりうる考えを持った人が、自分を見つめ直し、人としての基本的な気遣いをしようという気持ちを持つことです。

「なぜソロキャンプをしているのか」それを考えれば誰でも話しかけに行ってはいけないことくらい分かるはずです。

◆◆

その後、小山代表は、上記投稿の《男性は女性にとって、ゴキブリとハイエナを足して二で割ったようなものに見えていると思っておくくらいが丁度いいんです》の箇所についての補足を投稿した。投稿は以下の通り。

　＊　＊　＊

今回投稿前に一番私が考えた部分なのですが、今まで同じ様な話題は沢山発信してきました。しかしながら、普通のことを何の変哲もない表現で書いたり、短文だったりすると、スルーされてしまうことが多く、それでは「世の中に幅広く伝えたい大切なことも、沢山の人に伝わらない。」ということがわかっていました。なので、今回あえて独特な言い回しで発信しようと考えました。

それを特に反映しているのが「ゴキブリとハイエナを足して二で割ったようなもの」という比喩部分です。

勿論この表現には意図も意味もあります。ハイエナというのは死肉を食らうと思われているところもありますが、実際は狩りもするそうです。ライオンより狩りが上手いというご意見もありました。噛む力は400kg超えとも言われていて、骨ごとバリバリ噛み砕けるくらいの力があるらしいです。人間の腕なんか一発で噛みちぎることができるくらいの力でしょう。

また、60km/hくらいのスピードで走れるらしく、人間が狙われたら逃げ切れないと思います。見た目は可愛いのですが、みなさんが飼っているワンちゃんや猫ちゃんのように従順で大人しい訳ではないですし、勿論、人のような理性もありませんので、野生のハイエナに生身で近づきたい人はあまりいないのではないでしょうか。

そんな自分より圧倒的に力で勝る、お腹が空いているかも知れない生き物が近づいてきたり、周囲をウロウロしていたら怖いですよね。それが「怖さ」の表現部分です。ゴキブリは「言わずもがな」という部分もありますが、一応説明しておくと、多分大半の人が殺したことがあると思うんです。親戚も友人も合わせてゴキブリを殺したことがないという人はあまり多くはないと思います。で、ゴキブリが大量にいる部屋で暮らして下さいと言われた場合も大半の人は嫌なのではないかと思うんです。

何でか。これはざっくりいうと生理的に受け付けないからだと思われます。要するにキモいんだと思います。毒があったり、噛んだり刺したりする虫は自分に対して直ちに実害があるので排除したいのも分かるのですが、ゴキブリは毒もないですし、噛んだり刺したりも普通はしないと思うんです。でも殺される訳です。これがどうしてかを説明すると、ゴキブリは不衛生だからとか、ゴキブリは気持ち悪いからというのが一般的な認識なのではないでしょうか。なので、これが「気持ち悪さ」の表現部分になる訳です。で、「ハイエナとゴキブリを足して二で割ったもの」として「怖さ」と「気持ち悪さ」を同時に表現している訳です。

そしてここからが大事なところです。本文には「ゴキブリとハイエナを足して二で割ったようなものに見えていると思っておくくらいが丁度いいんです。」と書いてあります。

それはなぜか。この話は冒頭でくくったように、女性が男性に絡まれて怖かったという話です。女性は怖い思いをしました。とはいえ、男性は男性で恐らく不本意な結果に終わったんだと思います。お互いに良くないですよね。

ではどうすれば良かったのか。男性が不必要に話しかけに行った事で起こった不都合ですから、それは女性に非はなく、女性が対策をする以前の問題で、「男性が声をかけに行くことを遠慮するべきだった」ということになります。

それでも、なぜ男性は遠慮ができなかったのか。考えられるのは「相手が迷惑かどうかを考えない親切心」だったり、酷い時には「親切心を装う」ものだったり、「LINE交換しようよ」などと言っている場合はまさに下心があると思われる訳で、ワンチャンあるかも知れないと思っている場合もあるのではないでしょうか。「自分だけは他の人と違って安全だ」と思っていても、相手から見たらそれはわからなかったりすることもあると思います。

そうした考えが「遠慮するべきなのに、遠慮できなかった、あるいは遠慮しなかった原因」となっているのではないでしょうか。

この場合、男性は自分の都合や自分目線だけで勘違いした行動をしてしまわないように、まず相手の気持ちに対して想像力を働かせて、「自分が怖がられているかも知れない」「気持ち悪いと思われているかも知れない」という、「自分が歓迎されていないかもしれない」という部分を予め自分に強く強く言い聞かせることで、女性に不要な声がけをしに行くことがなくなり、自分自身も傷つかず、相手を怖がらせることもなくなる訳です。

これが話題を呼んでいるTwitter投稿の全容です。今回、沢山の方にご覧いただき、目的であった「教え魔」や「声掛け魔」のような行為がいかに良くない事か。という部分が沢山の人の目に入り伝わった事は、一番の成果であったと考えています。また、拡散にご協力いただいた方にも、補足説明をしてくださった方にも感謝しております。ありがとうございました。

日本単独野営協会はこれからも、誰もがいつまでも綺麗で安全な野営地でソロキャンプを楽しめるように活動してまいります。

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