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 小中学校に併設された「特別支援学級(以下、支援学級)」や、通常の学級に在籍しながら週に数時間、障害に応じた指導を受ける「通級指導」で教員が不足している。背景には、通常学級の担任がいない場合、支援学級から教員が引き抜かれる実態がある。そのしわ寄せで犠牲になるのは支援が必要な子どもたちだ。AERA 2023年12月18日号より。

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 個々の子どもたちの特性に応じた指導が必要とされる支援学級や通級指導。教員が足りないだけでなく、入れ替わりが激しいことで、専門的な指導の継続が難しくなっているという。支援が必要な子どもの「学ぶ権利」が、後回しにされた状態だ。

10年間で約2倍に増加

“教員補充の最後の砦(とりで)”となっている特別支援教育の現場で教員が不足したときには、もう頼る先がない。都内の小学校で支援学級の担任をしている50代の女性教員は言う。

「支援学級の担任の中にも、病休になる人が増えてきました。私の学級でも昨年1人病休となり、急遽(きゅうきょ)副校長が担任代理として入りました。副校長は特別支援教育の経験はありませんが、そんなことは言っていられません。何しろ、非正規の時間講師もみつからないんです。東京都教育委員会に申請していますが、一向に解消されない。もう自分たちでなんとかするしかない状態です」

 また、特別支援教育を受ける子どもがそもそも増えているという現状もある。

 文部科学省が発表した「特別支援教育の充実について」の資料では、2012年から22年の10年間で、少子化で義務教育を受ける子どもの数が約1割減少する一方で、特別支援教育を受ける子どもの数は、30万2千人から59万9千人へ、約2倍に増えている。これは単純に、障害のある子が増えたというより、発達障害の認知度が広がったこと、特別支援教育を受けさせたいと考える保護者が増えていることが背景にあると考えられている。

 特別支援教育の現場は、児童生徒が増える一方で、先生が引き抜かれるという二重の要因で危機的な状況になっている。

 さらに、支援学級や通級指導では、年度の途中にも児童生徒の数が増える。通常学級での学びが合わなかった子が、支援学級に移ったり、新たに通級指導をスタートさせたりするからだ。

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