10月には、ネット上で五ノ井さんを中傷したとして、自衛官の男が侮辱罪で罰金30万円の略式命令を受けた。
こうした中傷について五ノ井さんは、「言葉は凶器」だと指摘。
「言葉を受けた側は一生の心の傷を負い、心を殺すような言葉を使った人が罰金30万円で許される日本の法律は納得がいかない」と、司法への不信感も口にした。
ハラスメントが軽く見られがちな風潮にも言及し、「性暴力」と「ハラスメント」を一緒に考えてほしいと五ノ井さんは話す。
1日あればできた話
五ノ井さんは、
「告発が正しい戦い方だとは思っていない。(被害者が)実名や顔をさらすことは、今後は起きてほしくない。もともとは告発する気はなく、組織内で解決してくれると。加害者が謝罪して、和解して、仕事に戻る。1日あればできた話」
と苦渋の選択だったことを何度も言葉にした。
そのうえで、
「まだまだ声をあげられない人がたくさんいる。声をあげても取り合ってもらえない人もたくさんいる。声を上げやすい環境になってほしい」
と切なる思いを語った。
(AERA dot.編集部・國府田英之)