渋野日向子
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 今年の国内女子ツアーは、11月26日まで開催されていたJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ(宮崎県、宮崎カントリークラブ)で閉幕。この大会で優勝しツアー通算11勝目を挙げた山下美夢有が、2年連続で年間女王に輝いた。

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“黄金世代”、“プラチナ世代“など“〇世代”が隆盛を極める女子ツアーだが、今年のメルセデス・ランキングのトップ10を見ると、“新世紀世代”の山下など、6名が1998年4月から1999年3月までに生まれた“黄金世代”より若い選手たち。2023年も、20代前半の女子プロたちが活躍するという近年通りのシーズンとなった。

 そんな中でも注目を浴びたのが岩井明愛と岩井千怜の岩井ツインズだ。

 今季の2人は、姉の明愛が4月のKKT杯バンテリンレディスでツアー初勝利を記録し、国内ツアー史上初の双子Vの快挙を達成すると、9月の住友生命Vitalityレディス、ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンと連勝しシーズン3勝をマーク。その他にもブリヂストンレディス、ニチレイレディスなど多くの優勝争いを展開し、メルセデス・ランキングで3位に入った。

 一方の千怜は、姉の明愛よりひと足先に昨年2勝すると、今季は5月のRKB×三井松島レディスと6月のサントリーレディスで2勝。こちらも数多くの優勝争いを演じランキング6位と躍動した。

 また、2人はニチレイレディスで、最終日最終組で対決した他、全米女子オープン、AIG女子オープンと海外メジャーに同時出場も果たした。そしてツアー競技外だが、10日に千葉県の大栄CCで開催された日立3ツアーズ選手権では、2人がコンビを組んで前後半ともプレーし、国内女子ツアーの2年ぶりとなる優勝に貢献。姉の明愛はMVPにも輝き、大活躍のシーズンを有終の美で終えた。

 日本人の一卵性と二卵性を併せた双子の確率はおよそ1%と言われているが、そこから双子が同じスポーツでトップになる確率は格段に小さくなる。そう考えると、岩井ツインズのツアーでの活躍は超レアケース。新たな双子プロの出現、さらには岩井姉妹のような大活躍はこれから先も難しそうだが、姉妹という視点で見ればまだまだその可能性を秘めている。

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これまでツアーでプレーした主な姉妹