度胸と愛嬌と的確な分析力
自身のYouTubeチャンネルの登録者数は36万人。「本当に怖い男芸人ランキング」「実力がないのに軍団を作っている芸人ランキング」など邪悪なランキングネタが満載で、投稿された動画は高い再生数を獲得している。スポーツ紙のお笑い担当記者は明かす。
「とくにYouTubeでのランキングトークが過激で面白いと評判です。ゲスト出演した東野幸治さんや爆笑問題らも、鬼越の2人が聞き役だからこそリミッターを外してトークをしている様子が見られます。それに応じて鬼越の2人もどんどん口が悪くなっていくので、芸能ニュースにもなりやすい。今は企業のパーティーや忘年会での営業も多く、その会社の社長などに暴言を浴びせることで斬新な営業スタイルを確立しています。暴言を浴びせる相手が偉ければ偉いほどウケるので、社員から徹底的に情報を聞き出して真面目にコツコツ仕込んでいるとか。彼らの芸風からすると意外かもしれませんが、エリート芸人だからこそ、こういった努力も惜しまないのでしょう」
お笑い評論家のラリー遠田氏は、鬼越トマホーク躍進の理由についてこう述べる。
「毒舌芸に必要なのは、度胸と愛嬌と的確な分析力です。度胸がなければ他人を傷つける恐れのある毒を吐くことはできないし、愛嬌がなければそれで笑ってもらえません。加えて、単に悪口を言うだけなら誰でもできますが、それが本質的な鋭い指摘になっていなければ、説得力がなくて笑いも起きません。相手の痛いところを突くためには、その人のことをよくわかっていなければいけないし、状況判断のスキルも求められます。鬼越トマホークの2人は、そんな毒舌芸に必要な能力を一通り備えている毒舌芸人界の新星です。2人の性格や考え方は似ている部分もありますが、違うところも多いので、同じ人物に対するイジり方に微妙な差が出てきたりします。それらが折り重なって絶妙なハーモニーを奏でているのです」
独特のセンスと才能が光る「毒舌芸人」の新星。コンプラ全盛で閉塞ぎみのお笑い界に、風穴を開ける存在になってくれそうだ。
(藤原三星)
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