鬼越トマホーク

芸の裏にある「NSC首席」の真面目さ

 その人気を背景に、中古車買い取り会社のCMに出演するなど、お茶の間にも顔と名前が浸透してきたが、それにともない、最近は「あまり罵詈雑言を浴びせなくなった」という声も聞かれ始めた。

「2人とも既婚者となり、今年はCMも決まって、芸人としてのランクが上がることで『守りに入っている』と周りからツッコまれているようです。これだけ知名度が上がったのなら、今こそ炎上上等で攻めに転じるべきだと思います」(同)

 鬼越トマホークの2人はNSC東京校の15期生で、同期にはニューヨークやおかずクラブ、横澤夏子などがいる当たり年。後の人気芸人たちが切磋琢磨(せっさたくま)していたこの時代に、鬼越トマホークは首席でNSCを卒業するという“早熟”の芸人でもあった。

「在学中はとにかくネタが大ウケで『鬼越は必ず売れる』と講師陣が太鼓判を押していたほど。他の芸人は『今年は鬼越がいるので、ほかの芸人は売れないから諦めろ』と言われたほど、圧倒的な存在だったそうです。その後、2人は仲たがいして一度解散をしたり、再結成してもなかなか芽が出ないで苦しみましたが、転機となったのは2014年。千原ジュニアが2人の仲の悪さと、それを止めにきた先輩に対して的確な暴言を吐いたといううわさを聞きつけ、それを番組で“ケンカ芸”としてアレンジ。当時はまったく無名だった鬼越トマホークをメインとした『鬼越トマホークの喧嘩を止めよう』という企画にして、これが大当たりしました。以後、彼らは大御所芸人にも暴言を浴びせることで飛躍的に知名度をあげ、この10年近くはケンカ芸一本で爪痕を残し続けてきた。“NSC首席”という優秀なふたりだからこそ、一線を超えないケンカ芸が可能になったのだと思います」(同)

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