2020年には32試合、2021年には44試合に登板した実績もあり、投手陣の豊富な阪神でなければもっと活躍できるという声も多かっただけに、今回の移籍は良いきっかけになると思われる。移籍先の巨人は今シーズンの救援防御率がセ・リーグ最下位とリリーフ陣に課題が多く、そういう意味でも馬場にかかる期待は大きい。トレードで加入した近藤大亮、高橋礼、泉圭輔などとの競争にはなるが、上手くはまれば勝ちパターンの中継ぎとなることも十分に期待できそうだ。

 馬場と同様に環境を変えれば面白いと言われ続けていたのが鈴木博志(中日オリックス)だ。ルーキーイヤーの2018年にいきなり53試合に登板。翌2019年のシーズン開幕当初は抑えも任せられて14セーブをマークしている。しかしその後は制球難もあって成績を落とし、一時はサイドスローに転向するなど、長い低迷が続いている。今年も9試合の登板で1勝2敗1ホールド、防御率4.07と成績を残すことができなかった。

 ただそれでもポテンシャルの高さは誰もが認めるところであり、150キロ前後のストレートと140キロ近いスピードで鋭く変化するカットボールは威力十分だ。このボールをしっかり操ることができるようになれば、十分に一軍の戦力となる可能性は高い。移籍先のオリックスは投手育成に定評があり、また先発では山本由伸、山崎福也、リリーフも近藤大亮、黒木優太、吉田凌、そして現役ドラフトで漆原大晟がチームを去るだけにチャンスは十分にあるはずだ。新天地でその才能が大きく開花することに期待したい。

 一軍での実績はないものの、投手でもう1人面白い存在になりそうなのが長谷川威展(日本ハムソフトバンク)だ。花咲徳栄では3年夏にチームは甲子園優勝を果たしたものの、長谷川自身はベンチ外。金沢学院大進学後に大きく成長し、2021年のドラフト6位で日本ハムに入団している。過去2年間の成績は一軍で11試合に登板して0勝0敗1ホールドにとどまっているが、二軍では今シーズン34試合に登板して防御率こそ3.00ながらイニング数を上回る奪三振を記録している。

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長谷川はチーム事情的にもフィット