(6)家電の操作にとまどうようになる
加齢とともに老眼が進んだり、手の細かい動きが鈍ってきたりすると、「あっ、押し間違えた」というミスが起こりやすくなります。
それでも、落ち着いていったん電源を切り、再度スタートボタンを押して操作し直すことができれば、多少もたついたとしても老化現象の範囲内です。
一方、ボタンの押し間違いに気づかなかったり、気づいてもリカバリーできず、家電を使うことをあきらめてしまったりするようなら、認知症グレーゾーンが疑われます。
(7)イライラして怒りっぽくなる
加齢とともに、感情をコントロールする脳の前頭葉の機能も衰えてくるため、これは自然な反応です。
しかし、認知症グレーゾーンになると、ブレーキが利かなくなって、TPOをわきまえずに大声で怒鳴ったり、ときには暴力をふるったりするまでになってしまうことがあります。
そこには、単なる老化現象の範囲を超えて脳の機能が落ちてしまったため、自分で自分を制御できないという理由があるのです。
(8)ささいなことでパニックになる
年齢を重ねてくると、認知機能の衰えからパニックになりやすくなります。
それでも「一瞬あわてふためく」程度で、すぐに冷静さを取り戻せるなら、さほど心配はありません。
たとえば、いつも左ポケットに入れているスマートフォンがないことに驚いた時に、右ポケットやカバンの中など、順番に探していくことができれば、大丈夫です。
これに対して認知症グレーゾーン(MCI:軽度認知障害)の人は、想定外の事態が起こると頭が真っ白になり、順序だてて考えられなくなりがち。
「落ち着け、オレ」と思えば思うほど混乱し、同じところばかり探して「ない、ない、ない」とパニックになります。
脳の前頭葉は判断力などの役割も担っているため、その働きが低下すると『急に困ったときの段取り』が立てられず、感情をコントロールできなくなるのです。
これがパニックです。