(4)社交的だった人が急に出不精になった
もともと社交的な人が他者とのコミュニケーションを「わずらわしい」と言うようになったら、認知症グレーゾーン(MCI:軽度認知障害)のサインである可能性が考えられます。
ただし、どんなに社交的な人でも、年をとって足腰が弱ってくると、外出する回数は減ります。それでも、定期的に馴染みの店へ出かけたり、行きつけの美容院へ行ったりしておしゃべりをする。そんな日常を楽しめているなら、単なる老化の範囲内です。
(5)財布が小銭でいっぱいになる
レジでまごつく程度は大丈夫。お札しか出さなくなったら危険水域です。
たとえば買い物に行って、レジで「3750円です」と言われたとします。
このとき、多少まごついたとしても、お財布から千円札3枚、百円玉7枚、十円玉5枚を出せているうちは通常の老化現象、問題ありません。
一方、認知症グレーゾーンの人は、注意力や集中力が低下しているため、お財布からお金を出している途中で「あれ? 今いくら払ったっけ?」「百円玉を何枚出せばいいのだろう」とわからなくなります。お金を正確に支払うには、想像以上に脳をフル稼働させる必要があるのです。
認知症グレーゾーンの人は、自分の異変を知られたくないという意識がまだ残っています。そのため、家族が「お母さん、この小銭は何?」と聞いても、「孫のお年玉にする」とか「小銭貯金」といった言い逃れをしがちなので、注意してみてください。