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 もの忘れやちょっとした失敗をした時に「認知症かも?」と思っても、それが本当に認知症なのか、単なる老化なのかの区別はつきにくい。「『名前が出てこない』はよくあること。『身近な人の名前が出てこない』場合は認知症の疑いがあります。認知症は初期のグレーゾーン(MCI:軽度認知障害)で適切な対処をすることが大切です」と話すのは、認知症専門医・朝田隆(あさだ たかし)さん。朝田さんの著書『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』(アスコム刊)から「認知症と老化の見分け方のポイント」を紹介します。

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『認知症の入り口』チェックリスト

 認知症のよくある兆候をチェックリストにまとめました。

 まずは自分でチェックしてみましょう。家族がチェックするのもおすすめです。

 上記チェックリストの項目にあてはまった場合でも、認知症の場合と単なる老化の場合があるそうです。どう見分ければ良いのか? そのポイントを紹介していきます。

(1)家族や親しい人の名前を間違えたり、思い出せなくなったりする

 「名前が出てこない」はよくあること。ただし、「身近な人」の名前が思い出せない場合は要注意です。

「あの俳優の名前、何だったっけ?」「ほら、有名な俳優だよ。えーっと……」

 そんなやりとりは、年をとると誰でも増えてきます。

 でも、自分の子どもや孫など、ごく身近な親族の名前をなかなか思い出せない、となると話は別。認知症グレーゾーン(MCI:軽度認知障害)が始まっている可能性が濃厚です。

 こうした近親者の名前のど忘れが何度も繰り返されるようなら、認知症グレーゾーンへ進んでいる可能性を疑うべきでしょう。

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(2)身だしなみに気を配らなくなる