大宮エリーさんと須山さん(撮影/写真映像部・高野楓菜)
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 作家・画家の大宮エリーさんの連載「東大ふたり同窓会」。東大卒を隠して生きてきたという大宮さんが、同窓生と語り合い、東大ってなんぼのもんかと考えます。今回は大宮さんが須山さんとの対談を振り返ります。

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 東大から相撲取りになる。実際、そんな人は初めてなのだけれど、でも須山さんは自分の気持ちに正直に人生を歩んでいるんだなと思った。高2まで遊んでいたのに、東大だと決めると、そこから勉強しはじめて浪人して東大へ。

 対談に出ていただいた割と若いかたみんなに共通していたのが、東大にいくと決めて、あきらめないこと。そこまでの自分の現状把握と、自分独自のゴールへの道筋を導き出せること。それがすごい。

 私とは大違い。私の場合、現役のとき焦って、空まわりして、ああだめだろうなあと思いながら受験して失敗。浪人時代は淡々とこつこつとやった。でも私の場合はもう東大じゃなくてもいいや、大学に行ければいいやと思っていた。

 この連載では東大を出て、意外な職業の方に登場していただくことが多いが、それは世の中で言う“わかりやすさ”を表現しているのだと思う。東大からお坊さん、東大からお相撲さん。極論すると大学なんて、そして将来なんて、あんまり関係ないのだと思う。どこの大学だって、どういう環境を自分で見いだして、どう学ぶかだし、あるいは学ばない4年間が良いひとだっている。あるいは大学に行かないことが良かった人もいるだろう。また、大学を出たからって自分の生きたい将来になるかはわからない。いい大学であってもいい企業っていう時代はもう終わったし、いい企業ってなんだ?という時代でもある。自分の納得いく将来を、無限の選択肢からどう選んでいくか、もしくはないところから生み出していくか。

 ただ、出合いというのは大事かもしれない。何か自分にいい出合いがありそうな場所に環境に少し身を置くのがいい。そこから何かがはじまったり気づいたり、転がっていったりするから。

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