このように書くとピコレーザーは万能なように聞こえますが、リスクもあります。30代から40代女性の頬にできやすいシミの一つである肝斑(かんぱん)に対して、ピコレーザーを利用するいわゆるピコトーニングと呼ばれる治療が流行しています。しかし、ピコトーニングによって肝斑の治療部位の色が白く抜けてしまう脱色素斑が出現するケースが見受けられます。そのため、当院では肝斑にはレーザートーニングを行わずに薬物療法で改善を目指しています。

 ピコレーザー治療は美しい肌を保つために有効な手段です。効果とリスクをしっかり理解の上、治療を受けてもらいたいと思います。

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大塚篤司

大塚篤司

大塚篤司(おおつか・あつし)/1976年生まれ。千葉県出身。医師・医学博士。2003年信州大学医学部卒業。2012年チューリッヒ大学病院客員研究員、2017年京都大学医学部特定准教授を経て2021年より近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授。皮膚科専門医。アレルギー専門医。がん治療認定医。がん・アレルギーのわかりやすい解説をモットーとし、コラムニストとして医師・患者間の橋渡し活動を行っている。Twitterは@otsukaman

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