「ポスト岸田」に急浮上した上川陽子氏

 以上は有名な政治家であるが、ここへきて、これまで無名の上川陽子外相の名前が挙がり始めた。華がなく地味な印象だが、女性ということで急激に注目度が上がっている。英語が堪能などの面が知られるようになれば、新鮮さもあって支持が伸びる可能性がある。高市氏を悪役に仕立てて「女の戦い」を演出できればなおさらだ。

 しかし、この人は、法相を3回務めている間に16人もの死刑を執行した実績の持ち主で、タカ派の顔を持つ。岸田派ではあるが、むしろ安倍元首相の寵愛を受けたこともあり、人柄が知れるにつれて、逆に人気が落ちるリスクもある。

 また、経済政策に関する実績がほぼゼロで、日本の最大の課題である経済再生に不向きなことが致命的な弱点だ。

 いろいろと書いてきたが、読者からはこんなヨタ話なんか聞きたくないとお叱りを受けるかもしれない。確かに日本の経済はボロボロなのに、国会では亡国予算と言われる23年度補正予算が成立する見込みだが、その間も、日本経済の危機は日々深刻化している。そんな時に「ポスト岸田」の政局話かと思うのも無理はない。

 しかし、実際の政治では、むしろポスト岸田の話で持ちきりという感じで、危機感は全く感じられない。

 タイタニック号が氷山にぶつかる前に船内の客室でダンスに興じる男女にも似た自民党議員の「政局ダンス」。誰もが踊らなくてはと浮き足立っているが、いつになれば本当の危機に気づくのか。

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政局ダンスに興じる自民党議員