華やかなロングスカートをまとった、“ロマ”スタイルのレッスン風景。スカートがはためくと、かなりの風圧が来る(撮影/大谷百合絵)

“ふくよか”なダンサーが好まれる

 一方、ベリーダンスを習う上でのハードルに挙げられがちなのが、大胆におなかを出す衣装だ。一応レッスン時の服装は自由で、おなかをさらす勇気がない人は、Tシャツにスパッツといった姿でも問題ない。

 しかしIzumi氏は、「細いから美しいなんていう美意識は、日本だけです!」と、きっぱり。世界最古の踊りと言われるベリーダンスには、豊作を祝う意味が込められており、本場のアラブ地域ではふくよかなダンサーが好まれるというのだ。

「くびれは必要ですが、女性らしいメリハリと厚みのあるボディーがよいとされています。私も、ボリュームを保たなきゃと思って、むしろ痩せないように気をつけてきました」

 この日のレッスンで、おなかや太ももがあらわになった真っ赤な衣装を着こなしていた40代のアミナさん(※ダンサーネーム)も、ベリーダンスを始めた1年前は抵抗を感じていたという。

「周りのみなさんを見て、きれいだなとは思っていたんですけど、自分はちょっと……って。でも、自分のおなかの動きが見えたほうが上達するし、本場だと適度にお肉がついているほうがいいって聞いて、安心したんですよね」

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「いつ脱ぐの?」と言われる“偏見”