腰痛予防や子宮まわりの血行促進効果も
人気が広がっている要因の一つが、振りつけのパターンがシンプルで、誰もが気軽に楽しめることだ。
「初めての人でも棒立ちになって立ち尽くすことなく、なんとなく曲に合わせて踊ることができる。ほかの踊りってこうはならないんですよ。いきなりバレエの『白鳥の湖』なんて踊れないでしょう?(笑)」
たしかに体験レッスンに参加した2人を見ると、腰を左右にグッと突き上げたり、前後左右にステップを踏んだり、一応先生の動きについていっている。レッスン後は、ともに満足そうな表情を浮かべて帰っていった。
飛んだり跳ねたりといった激しい動きや、片足で立つなどケガを招くような動きもほとんどないため、中高年で始める人も多く、過去には80代の生徒もいたという。
そして、ベリーダンスのもうひとつの魅力が、健康面でのポジティブな効果だ。インナーマッスルを動かして体を内側から温めることで肩こりや腰痛を防いだり、腰をしっかり動かして子宮周りの血行をよくすることで婦人科系のトラブルを改善したりすることも期待できる。またシニアの場合、はだしで床を踏んでかかとに振動を伝えることで、骨密度を増やし、骨粗しょう症を予防する効果もあるそうだ。
この日レッスンに参加していた、ベリーダンス歴4年半のルルアさん(※ダンサーネーム)は60代。週に3日通い詰めるなか、どんどん体が元気になっているのを実感するという。
「40代くらいからリウマチになって、突然体のあちこちが痛むんですけど、ここへ来るとなぜか痛みが消えちゃうんです。足が動かなかったり腕が上がらなかったりしても、踊っているうちに動くようになる。楽しいという気持ちのおかげかもしれません。もっと早く始めればよかったと思いますが、年齢を重ねたから不利だとは思いませんよ。今のところ、クルクルとターンもできますし」