和室の壁から出入りするトコジラミ

  近年、既存の殺虫剤に耐性を持つトコジラミの出現が指摘されているが、白井さんは、

「効果がある可能性はあるので、市販の殺虫剤を使うなどできる対策はした方がいい」

 と話す。

 トコジラミは血を吸うため、血糞と呼ばれる2ミリくらいの糞を潜伏場所の近くに出す。血糞を発見したら、その周辺に殺虫剤をまく。

畳で見つかったトコジラミの糞

 ポスターの裏側や読んでいない本の隙間に隠れていることもあるため、いらないものは思い切って捨てる。

 潜伏していそうな場所にこまめに掃除機をかけ、吸い取ったゴミはすぐに捨てる。

きれいな宿泊施設にもリスクはある

「それでも被害が続いたり、虫が嫌いで耐えられなかったりする人は、すぐに駆除業者に依頼した方がいいでしょう」(白井さん)

 旅先の宿泊施設では、キャリーバッグやカバンを開けっ放しにせず、ポリ袋で包み、玄関に置く。衣服もポリ袋で包み、帰宅したらすぐにクリーニングに出すなど対策をとる。

「トコジラミは、いかにも害虫が出そうな場所にいる害虫ではありません。きれいな宿泊施設でも古い宿泊施設でも、観光客らの出入りがある限り、トコジラミのリスクがあることを知って欲しいと思います」(同)

障子の敷居の隅にいるトコジラミ
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