「かゆすぎ」「気持ち悪い」。韓国やフランスで大発生し、住民を恐怖に陥れている害虫「トコジラミ」(別名・南京虫)。寒さには弱いとも言われ、これから冬を迎える日本は安心かと思いきや、日本の暖かい家屋では話は別だ。害虫の専門家は「冬でも出るのが当たり前だと思った方がいい」と注意を促す。
【本気で閲覧注意!】トコジラミに刺されるとこうなる(他9枚)
トコジラミが大発生している韓国。
「渡韓する人は注意を」
「日本に持ち帰らないで!」
SNSには日本人の不安の声もあふれるが、韓国政府は11月13日から4週間を「集中防除期間」とし、被害拡大防止に乗り出した。
眠れないほどの激しいかゆみ
害虫の生態に詳しい「害虫防除技術研究所」代表の白井良和さんによると、そもそもトコジラミは「シラミ」ではなく「カメムシ」の仲間。体長は5~8ミリで、部屋が明るいときはベッドやソファの隙間、カーペットの裏、カーテンの折り目などに潜り込んで隠れている。
そして夜、寝静まった住人を襲い血を吸うのだ。このときに注入される唾液(だえき)でアレルギー反応を起こすと、眠れないほどの激しいかゆみを引き起こすことがある。
朝起きた時にはトコジラミはすでに潜伏場所に戻っていて人目にはつかない。また、数日経ってからかゆみが現れることがあり、なぜ体がかゆいのか、原因が突き止めにくい。
「トコジラミの存在になかなか気づくことができない点。絶食しても半年や、なかには1年以上も生きた個体が確認されており、1日に5~6個の卵を産むなど繁殖力も非常に強い。害虫のなかでも特にやっかいなのがトコジラミなのです」(白井さん)