亡くなった女性の遺族が発表したコメントによると、疲れ果てた様子の女性に家族は、「そんな所へ行かなくていい、もう辞めたらいい」と止めたが、「そんなことをしたら上級生に何を言われるか、何をされるかわからない、そんなことをしたらもう怖くて劇団には一生行けない」と涙を流しながら必死に訴えてきたという。
Aさんはこのことについても、
「その気持ち、よくわかります」
という。
一生のプライド
「変な辞め方をすると、ずっといじめられかねない。それが宝塚なのです。それがわかっているから彼女も拒絶したんじゃないかと、怖かったんじゃないかと、その気持ちはよくわかります。正直、ギャラも安く、女の嫌な世界なのです。ただ、難関を突破して音楽学校に入り、ようやくタカラジェンヌとなって、華やかできらびやかな舞台に一度でも立つと、それは忘れられない、一生のプライドです」
Aさんは最後に、こう締めくくった。
「宝塚は、今変わらないとずっと時計の針が止まったままの組織になり、いずれ存続できなくなります。これを機会に、民主的というか、世の中に通じるまともな劇団に生まれかわってくれることを期待します。今はそれ以上のことは怖くて言えません」
(AERA dot.編集部・今西憲之)