中日・ビシエド(左)と巨人・丸佳浩(右)(写真提供・中日ドラゴンズ/読売ジャイアンツ)
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 熱気に満ちたプロ野球の2023年シーズンが幕を閉じた。今季も多くの歓喜が生まれた中、充実のシーズンを過ごした選手がいた一方で、不振に喘ぎ、期待を大きく下回る成績に留まった選手たちも多くいる。実績のある選手、年俸の高い選手ほど、その風当たりは強くなる傾向にある“残念だった”ナインを、セ・パ両リーグ別に選出したい。今回はセ・リーグ編。

【写真】“残念だった”ナイン選出 「年俸5億円」、この選手の復活はあるのか

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<投手>
■山﨑康晃(DeNA)

 不振なのか、衰えなのか。4月こそ12試合で8セーブ、防御率1.54と順調な滑り出しを見せたが、5月に7試合で防御率13.50と打たれまくり、6月以降も調子は上がらずに9月17日に登録抹消となった。昨季は37セーブ&防御率1.33で守護神に返り咲いて史上最年少での通算200セーブを達成し、オフにチーム日本人トップとなる年俸3億円(推定)で6年契約を結んで臨んだプロ9年目だったが、期待を大きく裏切る形に。49試合に登板して3勝7敗20セーブ、防御率4.37という不甲斐ない成績でシーズンを終えた。まだ31歳。このまま“不良債権”になる訳にはいかない。来季の復活が大いに求められる。

<捕手>
■梅野隆太郎(阪神)

 不振と怪我、プロ10年目の節目のシーズンを不完全燃焼で終えた。7年連続の開幕マスクを務めるも、調子が上がらないまま8月13日のヤクルト戦で死球を受け、左尺骨骨折で長期離脱となり、そのままシーズン終了。日本シリーズでベンチ入りしたことが話題になったが出番なし。今季の成績、72試合出場で打率.194、1本塁打、19打点は、この7年間で自己ワーストであり、チームがリーグ優勝、日本一と歓喜に沸いた中で自身は“蚊帳の外”と言える状態だった。梅野不在の間に評価を大きく高めた坂本誠志郎はゴールデングラブ賞も受賞。来季は自身にとって正念場のシーズンになる。

<一塁手>
■ビシエド(中日)

 明らかにコスパが悪かった。来日3年目の2018年に打率.348、26本塁打、99打点で首位打者と最多安打のタイトルを獲得した後、徐々に成績が下降する中でも助っ人として及第点の働きは見せていたが、来日8年目の今季は期待に応えられず。2軍落ちも命じられた中、最終的に出場91試合で打率.244、6本塁打、23打点と自己ワーストの成績でシーズンを終え、貧打の中日打線の大きな要因となった。今季が3年契約の2年目で年俸3年総額1000万ドルと言われ、円安が進んだ現在のレート(1ドル150円換算)だと年俸約5億円。来季から日本人扱いとなるが、今季のような成績だと非常に困る。

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トリプルスリー達成時の姿はなし…