「Aマッソ」の加納愛子(撮影/中西正男)

自分が突き抜けることを目指す

 よく見て見たら、特段、変わった人間ではない。そんな自分の根っこを知ることができたことはエッセーを書いて得られた収穫だと思います。

 そういう自分が突き抜けることを目指す。より一層、難しいことなのかなとも思いますけど、どう突き抜けるか。今はいろいろなパターンがある時代にもなっているとも感じています。

 3年ほど前はジェンダー論みたいなこともかまびすしく言われるようになった頃で“女芸人”という概念についても、いろいろと言われる時期がありました。見た目を笑いにする問題や、多様性への配慮など、今ももちろん求められているところはありますけど、そういった流れもかなり落ち着いてきたと感じています。

 それはなぜかと考えた時に、良いのか悪いのか、テレビの求心力が下がっていることが原因ではないかと。相対的にYouTubeやその他の発信ツールの存在感が大きくなっている。となると「これを守らなければならない」という“ものさし”がたくさんできているといいますか。

 だからこそ、もしやりたいことがあったら、それがやりやすいツールを使ってやればいい。そこがどんどん整備されるようになったからこそ、あまり「かくあるべき」と言われなくなったのかなと。

 そうなると、自分が「良しとする」ものを思うままにやればいいのかもしれませんけど、その中でどう気概を見せるのか。より一層、難しさも増した気がします(笑)。

 ま、こんなことスッと答えが出ることではないんでしょうけどね。突き抜けるためにもがく。くじけずにやり続ける。それしかないんだろうなとは思っています。

(中西正男)

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