本連載の書籍化第5弾!『鴻上尚史のおっとどっこいほがらか人生相談』(朝日新聞出版)
本連載の書籍化第5弾!『鴻上尚史のおっとどっこいほがらか人生相談』(朝日新聞出版)

・中学時代、吹奏楽部に入っていたのですが、1、2個上なだけの上級生が威張るのが理解できず、自分自身が一番上の学年になり、同級生数名が後輩たちに威張り散らし始めたタイミングで退部しました
・教師が、不良には注意せず、あろうことか、気に入られようとするのに、私のようなスクールカースト下位で、言いやすい生徒にだけ、スカート丈などについて注意することに不公平を感じ、別に目立ちたかったわけじゃないけど、短いスカートと派手な髪型、派手な持ち物での通学を貫き、徹底的に反発しました

 普通の人なら流せるような、暗黙のルールや慣習を、私はどうしてもうまく受け流せません。

 おかしいと思い、反発したくなります。

・たまたま歳が上で、たまたま先に入社しただけなのに、新人にばかり雑務を押し付けるのはおかしい
・貢献度の差という理由はわからなくないが、その貢献度の差は、給与の差で補っているのだから、それは理由にならない
・入社前に「経理をやって欲しい」と天下りから言われたから、コストをかけて学んできたにもかかわらず、なんの説明もなしに後になって、天下り個人の価値観で、スキルアップの邪魔になるような人事決定がなされるのは合理的におかしい。
・会社でのトラブルを知った上で対処しないのは、トップとしての管理責任放棄

 ……こんな風に、理屈っぽく考えて、相手に怒りを持ってしまうのです。

 たぶん、ここに書いたようなことはどんな会社でもあることで、みんな、それをのみ込んで働き、どっかで折り合いをつけるんだと思います。

 私も、それができる人になりたいんです。絶対にその方が幸せだから。何も考えずに、ただただ、新人らしく働ければいいのになって思います。

 もう1人の新入社員の男性が、まさにそれで、電話は鳴る直前の微妙な振動の段階で出て、窓口は我先に行き……それが当たり前で、評価にも繋がらないのに、すごいなって思います。

 彼もきっと、思うところが全くないわけではないと思いますが、上手に折り合いをつけて、のみ込んで、新人の役割をまっとうしています。本当に尊敬してます。私にはできないから。

 電話や窓口だって、私は人と話すのが元来嫌いなわけじゃないんですが、新人が全部やれっていう空気が嫌で、大嫌いになりました。

 社会にある、合理性なき暗黙のルールを、上手にのみ込み、ストレスを軽減する方法を知りたいです。

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